ふと、車窓から見える景色がいつもと違う。
「ねぇ……道、間違っていない?それとも、どこか寄り道でもするつもり?」
「あぁ。ちょっと寄りたいところがあるからさ…」
「寄りたいところ?」
コクンと一度頷いた拓也は、それ以上、話さなかった。
車は、外苑通りの賑やかな道から逸れ、一本内側の細い路地に入って行った。
対向車と擦れ違うのがやっとなくらいの狭い道路。
その通り沿いには、輸入雑貨の店やセレクトショップが軒を連ねていた。
――と、ある店の前で車は停まった。
「えっー?!ここに停めるの?マズいんじゃない?」
「あぁ。路駐(路上駐車)になるけど、ちょっとだけ置かせてもらおう!」
上着を羽織った拓也は、そのまま車から降りて運転席のドアを閉めた。
「…ちょ、ちょっと待って!」
慌てて、彼に倣い、私も車を降りた。


