ギュッと包まれた右手が、拓也の体温を感じ、温かい。
「とにかく、俺にとって、真理は最高の人だから!
子どもが生まれても俺たちは俺たち。いずれ、子どもは成長していくし、二人で自分たちの時間を大切にしていこうな!」
「拓也……」
鼻を啜りながら、何度も頷いた。
涙が溢れ出て止まらない。
こんなにも、私のことを大切に想っていてくれたなんて……。
普段、何も言わない拓也だから…拓也のそんな気持ちにも気付けなかった。
とめどなく溢れ出る涙に鼻水。
左手の甲で鼻の下を押さえ、指先で流れ落ちる涙を拭うけれど……
一度決壊したダムは、なかなかおさまらない。
そんな私に、「もう泣かなくていいからこれで顔を拭いて」と、拓也がティッシュを差し出した。


