赤信号で停止したときだった。
こちらに顔を向けた拓也が、穏やかな顔で言った。
「俺と真理との子どもだもんな…可愛くて仕方ないだろうなぁ。
あっ!でも、俺の1番は真理だけどね!」
「1番?」
「そう、1番!
子どもが生まれても、俺の中での順位は真理が上!
だって、そうだろう?俺たちが愛し合ったから子どもができたわけだし、真理がいてこそ……なわけだから!」
―――…拓也。
信号が青に変わり、再び、車は動き出した。
鼻の奥がツンとして、胸の中から込み上げてくるものを必死で堪えようと、唇を噛み締めた。
――と、ハンドルを握っていた拓也の左手が、そっと私の右手を包んだ。
思わず、涙が零れ落ちた。
「泣かなくていいよ。
真理、これからもずっと俺の隣で笑っていてくれよ!
一緒に幸せな家庭を作っていこうな」
「…うん」
震えながら、小さく頷いた。


