初めて訪れた国立競技場は、独特の雰囲気に包まれていた。
冬でも美しい芝。
そのピッチから伝わる緊張感。
黄色いメガホンとともに、スタンドの声援が圧力となって、選手に迫る。
選手と応援団とが一体となり、ゴールを目指し、ひたすらボールを追い掛ける彼らに釘付けになった。
シュートを決めたときの、鳴り止まない声援。
メガホンを片手に、力強く打ち鳴らす部員たち。
指を絡め、ひたすらゴールを祈り続けるスタンドの女子高生たち。
K高校は、県予選決勝で、賢司が戦った相手チーム。
その中には、中学時代、同じチームで過ごした雄太(ゆうた)の姿があった。
二人は、キャプテン・副キャプテンとして、チームを引っ張ってきた仲。
1年生ながらレギュラーの座を獲得した雄太は、果敢なプレーでスタンドを大いに沸かせた。


