自宅までの帰路――
外苑通りの街路樹が黄色く色付いていく中を、拓也の運転する車で通り過ぎた。
『国立競技場』という文字を見つけ、再び、賢司のことが思い出された。
地下鉄外苑前駅の近く、青山通りから北へ延びる、通称『スタジアム通り』。
昔、この近くを賢司と二人で歩いたことがある。
まだお正月気分の抜け切らない七草粥の頃、二人で国立競技場に足を運んだのだった。
私も賢司も、高校一年生。
共に、16歳の冬のことだった。
地元代表のK高校が、決勝戦に躍り出て、賢司に誘われ、サッカー少年憧れの聖地・国立競技場に試合を観に来ていた。
後にも先にも、賢司と二人きりで出掛けたのはこれっきり。
この日が最初で最後だった。


