安定期に入るまでは皆には黙っておこう、と母と相談した矢先だったというのに……
思わぬところから皆に、漏れることとなった。
法事という席ではあったけれど、皆一様に私たち二人の妊娠を喜び、出産を心待ちにしてくれた。
妊娠という事実に、少し気恥ずかしさもあったのだけれど……
「夫婦なら当然のこと!」
「なんて、喜ばしいこと!」
「子孫繁栄だな!」
と、皆に笑顔で祝福され、心持ちもいくらか変わってきた。
その中のひとり。
そばにいた諒も「姉貴、元気な赤ちゃん産めよ!」と、さりげなく励ましてくれた。
それっきり、諒の口から賢司について語られることはなかった。


