西日が差し込む部屋の中で、膝を抱え、小さな身体を丸め、声を殺して泣いた。 あのとき――… 出発の日をきちんと聞いておけばよかった。 電話にもちゃんと出ておけばよかった。 ―――…賢司。 最後に、もう一度、会いたかったよ。 会って、「サヨナラ」を言いたかったよ。 私は、自分の決めた道を幸せに歩んでいることを伝えたかったよ。 ――「心配ないから」と。 賢司は、気付いていたのかな……私の気持ち。 これでよかったのかな……私たち。