拓也が帰ったのは、それから1時間後だった。
「ただいま」と、玄関の扉を開けた拓也を、久しぶりに出迎えた。
「おかえり」と微笑み、靴を脱ぐ拓也にそっと手を差し出し、手に握られていたビジネスバッグを受け取った。
「……ありがとう」
久しぶりのことで、拓也も躊躇いがちに礼を言った。
スーツを脱ぎ、部屋着に着替えた拓也を待ち構えるように声を掛けた。
「ご飯はどうする?何か食べる?」
「いや、軽く食べてきたからビールだけでいいよ!」
「そっか。分かった」
小さく頷き、冷えたビールとグラスをトレイに乗せ、ダイニングテーブルに置いた。


