愛のカタチ


そのあとも、何度か着信があったけれど、やっぱり電話に出ることはできなかった。


彼からの電話を拒否したのは、これが初めてだった。


理由は、自分でもよく分からない。


でも、本能がそうさせた――。


ソファーに身体を沈め、彼のことを思い浮かべるけれど、これ以上考えたところで埒が開かない。


渇いた喉を潤そうと、冷蔵庫から冷たいお茶を取り出し、グラスに注いでいるときだった。


今度は、自宅の電話が鳴りだした。 


ビクッと肩を竦め、留守電に切り替わるのを待った。 


『ピーという発信音のあとに、お名前とご用件をお話下さい』


『もしもし?俺だけど、遅くなってごめん。今から帰るから…』


―――…!!


「はい、もしもし?」


「なんだ、いたのか!携帯に掛けても繋がらないから寝てるのかと思ったよ!今から帰るから」


「うん、分かった。気をつけてね」


電話を切ったあと、変な汗が身体中から噴き出るのを感じた。