突如、部屋に鳴り響いた携帯の着信音。
――…拓也だ!
やっと帰ってきてくれるんだね。
待ちくたびれてたところだよ。
待ち人からの電話に、自然と顔が綻ぶ。
慌てて身体を起こし、ガラステーブルに置かれた携帯に手を伸ばし、通話ボタンを押そうとして……
固まった。
そこに映る名前から目が離せない。
ドクン…ドクン…と、飛び跳ねる心臓の音。
――…なんで?何の用事?
今は、出れないよ。話すこともないし…。
暫し、画面と向き合ったが、そのまま携帯を閉じた。
それでも、鳴り止まない携帯。
七色のライトを放つ携帯が、虚しくテーブルの上で光っていた。


