車を走らせてからも、さっきの諒の言葉が、何度も谺する。
“よろしく”って、どういう意味?
それは、単なる挨拶言葉?
それとも……。
鈍る頭を回転させようと、窓を全開にした。
お彼岸を過ぎたこの時期は、さすがに夜になると、いくらか風も冷たい。
ゆっくりと、季節が移り変わっていくのを肌で感じる。
夜空に浮かぶ月さえも、なんだか哀愁が漂っているようで……。
ひんやりとした空気が車内を循環し、冷静になるには最適だった。
赤信号で車を止めたとき、迷わず、助手席のバックに手を伸ばした。
間口の狭いバックに手を入れ、ごそごそと目当てのモノを捜し当てる。
――…あった!


