お風呂から上がり、リビングに戻ると、拓也はテレビを見ながらまだ晩酌中だった。
「悪いけど、先に寝かせてもらうね」
「あぁ」
短い会話のあと、目も合わさず、タオルで濡れた髪の毛を拭きながらリビングのドアを閉めた。
寝室のドレッサーの前に座り、入念に肌の手入れをしていると、昼間のことが頭に浮かび、ローションを塗る手が止まった。
脳内にはっきりと浮かぶ賢司の姿が、頭からこびりついて離れない。
――出発まで、あとひと月。
私たち二人は、この先どうなるんだろう?
やっぱり、このまま……。
どうしようもない現実を振り払うように、ドライヤーのスイッチを強にし、熱風を浴びた。


