「賢司さぁ、真理ちゃんのこと本気だったんだよ。
高校のときから。……気付いてた?」
「………」
突然、木場くんが訳のわからないことを言い出すものだから。
何の心の準備もできていなくて、心臓がバクバクと音を立て始めた。
「……どういうこと?」
目が泳ぎそうになるのを必死で堪え、平静を装いながら木場くんの話に耳を傾けた。
聞こえてくる話は、すべて賢司のことだけれど、どこか現実離れしているようだった。
私と賢司との空白の10年間――そこには、私の知らないもう一人の賢司がいた。
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取引先の女の子に付き纏われ、交際を迫られたり…
会社が入っているビルの受付嬢に誕生日プレゼントを渡されたり…
バレンタイン時期になると、抱えきれないほどのチョコレートやプレゼントが机の上に山積みされていたり…


