――あの日の光景がありありと頭に浮かんだ。 感情を表に出し、泣き出した百合の肩を優しく抱いた木場くん。 二人で言い合いながらも、なんだか微笑ましくて、見ていて飽きなかった。 二人の間を流れる、穏やかな空気に、どこか安心して見守ることができた。 「そうだったんだ……。よかったね、二人とも!」 本当に心からそう思えた。 別れてからも互いに想い合えた二人が、羨ましくもなった。