「とにかく、今日は百合と約束があるから出掛けるからね!ご飯は適当に食べて!
――あっ!くれぐれも永井くんたちは家に連れ込まないでよ!」
「はいはい。分かりました」
椅子から立ち上がり、テーブルに乗せられたままの食器を片付けながら、拓也には釘を刺しておいた。
これくらいきつく言っておかないと。
この間のようになったら、大迷惑だからね。
今日はこれから、百合と駅前の『珈琲館』で会うことになっている。
昨夜、珍しく電話があり、「話したいことがあるから」と。
同窓会以来だから、百合と会うのも、ひと月振りになる。
ひと月かぁ……。
賢司とも、あれ以来、会っていない。
暇さえあれば、賢司のことを考えてしまう。
不完全燃焼のようで、気持ちが晴れないのだ。
いけない、いけない!
頭をブルブルと振り、脳内から賢司を削除しようとした。


