賢司との二人だけの時間が楽しくて、つい、時間の経つのも忘れていた。
私たち、もう会えないのかな…?
できることなら、また会いたい。
“会いたい”と思う気持ちは、間違っていること…?
ジョギングをする人や犬の散歩をする人が、ちらほら目につき始めた。
そろそろ、帰らないといけない。
これでは、朝帰りもいいところだ。
実家とはいえ、両親の手前もあるし、近所の目もある。
見知らぬ男と朝帰りだなんて、変な噂でも立てられたら困るし…。
拓也は夏期休暇で仕事は休みだからいいけれど…。
それでもやっぱり、昼までにはマンションに戻らないとならない。
解ってはいるんだけど……
二人の間を流れる居心地のよい空気が、私をそこから動かそうとはしなかった。
立ち上がれなかった。


