愛のカタチ




「ううん。……私は特にないよ」


夫婦間の愚痴を話すことは、なんとなくルール違反のような気がして、私は努めて明るく話した。


ここで、賢司が彼女のことでも話してくれたなら状況も変わっただろうけど。



「そっか!…なら、よかった」


そう言葉少なに話すと、賢司はその話題から故意に遠ざかるように、サッカーや共通の友達の話をし始めた。 







どれくらい話しただろう。


話は尽きることがなく、二人共ずっと笑いっぱなしだった。


ブルルルン……と、エンジン音を高らかに鳴らしながら新聞配達のバイクが通り過ぎた。 


…うそっ!もう、そんな時間?