「すっかり酔いが醒めたな」 「ほんとだね」 肌をすり抜ける風が心地よい。 昼間の暑さが嘘のようだった。 荷物を隔てて、横に並んだ二人。 真後ろには、桜の木と思われる落葉喬木がどっしりと身構えていた。 「真理って、意外と酒が強いんだな!驚いたよ」 「えっ、私?まさか…! そんなに飲んでないし…。第一、限界を知らないから」 「それって、酒豪ってこと?」 「ううん、そうじゃなくて! そこまで飲んだことがないから自分の適量が分からないんだ」