「今だから言うけどさ、」
時効だから、と前置きして賢司は話し始めた。
高校時代、なぜ、大学進学ではなく、留学の道を選んだのか……
幼い頃からの夢――『世界と日本の架け橋になりたい』――を実現させたいという気持ちが強まったから。
そのきっかけが、私だったということ。
私は、小学生の頃から保育士を目指していた。
自分自身が保育園で育ったから、大好きな先生のようにずっと子供たちと触れ合いたいと思っていた。
進学先に選んだのも、保育科のある短大。
自分の夢を話す私が、賢司の目にはキラキラ輝いて眩しかった、と。
刺激を受けた賢司は、その後、自分を追い込むように、単身でアメリカに渡った。
「そうだったんだ…」


