広いロビーの革張りのソファに腰掛けて順番を待っていると名前を呼ばれた。
処方箋を受け取ってお金を払う。
樹里の働く個人病院と違っていくつもの診療科のある市立病院のロビーは人でごった返していた。
樹里はそのまま病院を出ると、病院の真向かいにある薬局へと立ち寄った。
樹里は月に一度、午後から仕事の休みを取って通院している。
「あ」
自動ドアが開いて一歩薬局へ足を踏み入れた瞬間、驚いたような声が聞こえて樹里は振り返った。
「……」
ちょうど入口からすぐの椅子に私服姿の一が座っていた。
「こん、にちは」
一が戸惑ったように笑う。
「こんにちは……」
樹里は同じように一言言ってすぐに目を逸らすとカウンターに処方箋を出した。
後ろにいるだろう一が気になるけれど振り返れず、ただカウンターの上を見つめる。
「おかけになってお待ち下さい」
けれど、薬局の店員は処方箋を受け取るとニッコリ笑って一が座っている椅子を指した。
「あ、はい」
仕方なくカウンターから離れ、一から距離を取るように1番壁際に腰掛ける。
処方箋を受け取ってお金を払う。
樹里の働く個人病院と違っていくつもの診療科のある市立病院のロビーは人でごった返していた。
樹里はそのまま病院を出ると、病院の真向かいにある薬局へと立ち寄った。
樹里は月に一度、午後から仕事の休みを取って通院している。
「あ」
自動ドアが開いて一歩薬局へ足を踏み入れた瞬間、驚いたような声が聞こえて樹里は振り返った。
「……」
ちょうど入口からすぐの椅子に私服姿の一が座っていた。
「こん、にちは」
一が戸惑ったように笑う。
「こんにちは……」
樹里は同じように一言言ってすぐに目を逸らすとカウンターに処方箋を出した。
後ろにいるだろう一が気になるけれど振り返れず、ただカウンターの上を見つめる。
「おかけになってお待ち下さい」
けれど、薬局の店員は処方箋を受け取るとニッコリ笑って一が座っている椅子を指した。
「あ、はい」
仕方なくカウンターから離れ、一から距離を取るように1番壁際に腰掛ける。

