────…亜理子たちは保健室に移動し、波奈と奈留が辺りを見張り、亜理子と真樹がドアの前、という配置で計画は実行される。



「お、開いた開いた。」



数秒後、カチャ、そんな音がして、真樹が取手を回すと簡単に保健室の扉が開いた。注意深くしつつ、保健室の中へと足を踏み入れた。



「夜の保健室…怖いね」
「特にベッド怖くね。なんか人が寝てそうじゃね?」



奈留がからかうようにケラケラと笑う。亜理子は奈留に殺意を覚えた。そんな二人を見て面白そうにしてる波奈、逆に呆れ顔で見守る真樹。



「薬品とか、普通にスルーしてたけど、こうして見ると魔女の薬みたい」
「青…そんなものあったらとっくにみんな体調壊してるよ…」



楽しそうにはしゃぐ波奈に対し、亜理子がすかさず突っ込んだ。残念、と本当に残念そうな顔をする。そんなファンタジーチックなことあってたまるか、と亜理子は思った。

だが、どこかでそんなこと、あればいいのにとも思っていた。