「こんなに重いダンベル持てるんですか!?明日香さんって凄い…。」
キラキラした目で見つめてこないで。
私にもこんなに重いダンベル、持てません。
「これ、邪魔だよね。あははは。あ、それよりも飛鳥ちゃん、お、お茶でもどうぞ。」
持ってみて、と言われる前に話題を変えよう。
「あ、飛鳥ちゃんの部屋は、どんな感じ、なのかなぁ?」
「う~ん。」
良一よ。
君が幼馴染の部屋にダンベル置いて頻繁に来る事を飛鳥ちゃんに知られたくないだろ。
君の名誉の為にも誤魔化したんだぞ。
感謝しろ。
「私も実家だから、そんなに自分の好きなようには出来なくて…。」
「そうなんだあ。」
「でも、ベッドの上にぬいぐるみ10個ほど置いてたり、部屋の壁も私の好きな水色に塗り替えたりしてますけどね~。」
十分、自分色に染めてるじゃん。
「あぁ、でも明日香さんってやっぱり素敵ですね。」
「何よ、突然。」
「私…。」

