疑惑の視線を浴びながらも、誰にもバレる事無く、無事飛鳥ちゃんを連れて家に辿り着いた。
「立派なお家ですね。」
見上げながら飛鳥ちゃんは言う。
「ありがとう、さあ、どうぞ。」
2階の私の部屋に案内して、カーペットの上にクッションを敷く。
飛鳥ちゃんは私の部屋を見渡すなり何やら感嘆の声を上げている。
「女の子らしくていいお部屋っ!」
まぁ、白い壁にピンクのカーテン。
白のベットの上にはぬいぐるみが置いてある。
女の子っぽい部屋ではあるが。
「あ、これ何ですかぁ?」
飛鳥ちゃんが何かを見つめている。
その視線の先には。
「あっ!」
「重いっ!」
両手で持ち上げようとする飛鳥ちゃんを咄嗟に制した。
「危ないって!怪我するよ。」
「どうしてダンベルがあるんですかぁ?」
「さ、最近、太って来たから鍛えようと思って。あははは。」
幼馴染の良一が置いて行った、とは言えない。

