私の肩に良一の制服のジャケットが掛けられていた。
「寒気がするんだろ。羽織っておけ。」
前を向いたまま良一が言う。
その横顔が男らしく見える。
ドキッ。
胸の奥が飛び跳ねた。
「うん。」
ありがとう。
良一は優しいね。
嬉しいよ。
でも、その優しさが。
この場所では罪だよ…。
「では、お待たせ致しました!100年に一度のスーパーアイドル!樋口飛鳥ちゃんの登場です!」
主催者が叫んだと同時に一気に照明が落とされた。
「飛鳥ちゃ~ん!」
「僕の飛鳥ちゃ~ん!」
皆が叫んだ声の中に良一の声もしっかりと入っていた。
まぁ、折角来たんだから私も楽しんで帰ろっと。

