その言葉に良一は私を安心させるようにうんうんと頷いた。
「捕まったよ。」
「捕、まった?」
「ああ、俺が叫んだ声で周りの人達が気付いてくれて、警察に通報してくれていたんだ。明日香が気を失ったから、そのまま1人で逃げようとしたけど、その後すぐ警察が駆けつけた時には素直に観念してたよ。」
「そう…、良かった。」
「明日香、どこか痛い所はないか?」
「大丈夫。」
「そうか。」
私を抱きかかえている腕がさらに強く包み込む。
ダンベルで日々鍛えた腕。
いつの日か、包まれてたいと思っていた逞しい腕。
その腕から良一の温もりが伝わってくる。
「悪かったな。」
「ううん。」
思いきり首を左右に振る。
『明日香!!』
私を助けようと叫んでくれた良一。
私の為に必死になってくれた良一。
気を失う瞬間に込み上げた思い。

