『良一さん、明日香さんの方に体寄せてましたから。』 飛鳥ちゃんの言う通り、良一は私との距離を縮めている。 私も同じように思う。 でもそんなの。 たまたまだよ。 偶然だよ。 意識して私に寄ってる訳ないじゃん。 それでも。 心のどこかで嬉しい気持ち。 期待しちゃう気持ち。 良一はズルいよ。 ズルすぎるよ…。 「はぁ~。」 涙を拭いて玄関を開け、外に出て辺りを見渡す。 誰も歩いていない。 誰もいない。 等間隔に並んでいる街灯と、一軒家からの灯りが道を照らしているだけ。