「良一のバカ!」 大声で叫ぶと、くるりと背を向けて家に入ろうとした。 カバンの中から音が聞こえる。 「着信だ、誰だろ?」 着信の相手の名前を見て思わず叫んだ。 「飛鳥ちゃん!!」 あ。 しまった。 素早く良一の方を振り返る。 いない。 既に家に入ったようだ。 確認を終えると、すぐに電話に出た。 「もしもし、飛鳥ちゃん?」 『明日香さん!広子ですぅ!!』 広子? ああ、そうか。 飛鳥ちゃんの本名、伊藤広子だっけな。 そんな事より。