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「許さん、絶対に許さん!」
大型量販店のテレビの前で良一は怒り狂っていた。
「良一と言う名前は一番良い子に育つようにって親父が名付けてくれたんだ!なのに、なのに!」
「まぁまぁ。」
「しかも、俺の苗字、西園寺だぜ、西園寺!さ・い・お・ん・じ!どちらかと言えば珍しい苗字だろ!何で苗字まで一緒なんだよ!!」
まさかの銀行強盗の指名手配犯が同姓同名だなんて。
何という奇跡だ。
私とスーパーアイドルが同姓同名より奇跡だよ。
「よりによって銀行強盗だなんて!貴様が奪ったお金はどれだけの人が苦労して働いて稼いだお金だと思ってるんだ!」
テレビに向かって指差し叫ぶ。
その通りだよ。
その通りなんだけど。
「苗字も名前も漢字まで全く同じだなんて!西園寺良一の恥だ!絶対に許せん!」
とにかくテレビの前から離れましょう。
銀行強盗ほどではないが、テレビの前で騒いでいるのも十分迷惑です。
強引に家電量販店から連れ出して、家に辿り着く。
さすがに家に着いた頃には落ち着きを取り戻していたが、それでも許せないようだった。

