「いいイヤホン見つかった?さ、帰ろ!」
「…。」
良一よ、無言は怖いって。
「そうだ、うちに美味しいお菓子あるんだけど食べに来ない?」
「飛鳥、ちゃん…。」
低く、重い声。
「飛鳥ちゃんが密会、だなんて…。」
「多分何かの間違いだよ。飛鳥ちゃんがファンを裏切るような事しないって!」
本当です。
何故なら密会相手が私だから。
私の言葉に、良一は眼だけこちらに向けて来た。
「…本当にそう思うか?」
「もちろん!」
出来る限り明るい声で答える。
『先日発生しました毎日銀行大通支店の強盗について続報です。』
「ほら、イヤホン買って帰ろうよ!」
腕を掴んで強引にその場から動かそうとする。
動かない…。
突然、良一が頭を抱えだした。

