「…天気予報見たら帰る。」
なんじゃそりゃ。
「良一のお父さん、NHKのニュース見てるのでしょ?家で見たらいいじゃん。」
「だって、面倒じゃん。」
どのみち帰らないといけないのに何でまだ居るのさ。
ベッドの上でいざこざを起こしているうちにニュースが始まった。
『今日のニュースです。』
「それにしても…。」
ニュースを無視して良一が呟く。
「ん?」
「あすかちゃん…。」
「もういいって!」
『午前11時頃、毎日銀行大通支店に強盗が入りました。』
「100年に一度なんてもんじゃない。200年に一度、いや、5000年に一度だよ!」
「5000年なら紀元前だよ!」
『犯人は人質を取り、現金1000万円を奪って逃走しました。』
「あすかちゃんはたった一度の天使だ~。」
「はいはい、天使ですね、天使ですよ。」
合わせるのが面倒になってきた。
『身長170センチくらい、中肉中背で真っ黒な服装だったと言う事です。』
「そう、天使。スーパー天使!」
「はいはい。」
『また、刃物を持っていたという目撃情報もある事から、警察は慎重に捜査を開始した模様です。続きまして、明日の全国のお天気です…。』
「ほら、天気予報始まったよ。」

