鳩二郎「あ…」

鉄平が電線に止まってぼーっとしているのを見つけた

鉄平「…ん?おお。二郎か…」

鳩二郎「何してるの?」

鉄平「みてみな」

鳩二郎は鉄平の視線をおった。

マンションの部屋の中で人間の男女が裸でからみあっている姿が…

鳩二郎「…。こんな趣味が…?」

鉄平「ば…ばかいってんじゃねぇ!ちげーよ!

いや、人間ってのは季節にかまいなく盛んだなぁ〜って思ってよ…
俺達鳩はよ、いや生物は季節を選んで子孫を残すために生殖活動を行うわけじゃん?

あいつらはただの快楽のためだけにあぁいうことやってるわけじゃん?

あれってどうよ…?」

鳩二郎「まぁ…僕たちは季節選ばないとタマゴの中で死んじゃうしね…」

鉄平「俺がいいてぇのはだぞ?
あいつらは理性で感情をコントロールできてねぇってことなんだよ!
俺達みてぇにさ…」

鉄平は人間の腰の動きにあわせてクチバシを動かしている…

鉄平「あんな奴らは今に鳥インフルエンザに汚染されて絶滅すんぜ…」

鳩二郎「…何??鳥インフルエンザって…」

鉄平「人間の天敵。俺達は何か食べていきていくだろ?
ハエの天敵はカエル、カエルの天敵はヘビってな感じでよ。
人間は天敵がいない頂点の生物だと勘違いしていやがる。
その人間の天敵はウィルスだ。」

よくわからなかったけれどもなんだか賢そうにみえて、鳩二郎はちょっと尊敬の眼差しをむけた…

鉄平「奴ら調子にのってジャングルの奥地に潜む生物を見世物にしたりもしているんだ。
その生物の体内でひっそりと平和に共存している微生物も一緒に運んじまった。
人間達はエイズだとかエボラだとかってびびってやがるがな…
自業自得なんだよ…
そのうちそいつらウィルスに人間は滅ぼされる運命にあるんだよ」

裸の人間がベランダにでてきた…

女「どうしたの?」

男「またきてる。そりゃ!」

男はパンを投げた

バササッ!

鳩二郎「ってえ?!ちょっと?」

鉄平は一目散にパンむけて飛び出した

男「パンをあげたら毎日あの鳩がくるようになっちゃって…」

女「あら…。まさに食欲のかたまりね…」

鉄平「よっしゃゲット!!!」

鳩二郎「……。」