偽りだけの城





理事長はずっと後継者として可愛がられてきた。


宮くんは末っ子だから、家に縛り付けないように、自由にした。



それぞれ違うけど、それぞれが違った愛の形。



末っ子だったからこそ、今宮くんといれるって考えたなら。



「末っ子に感謝だね!」



ぴょんと宮くんの目の前に行く。


ふふ、と笑った庵くん。



「わだかまりはなくなったみたいだね。瞳がこーゆう奴でよかったかもね」


「…あぁ」



宮くんは頬が緩んでいて、僕の頭を撫でた。

丁度いい高さなんだろうな…コンプレックスなのに、今はよかったって思ってる。


明日になればまたコンプレックスに戻ってるだろうけど。




「じゃあ、お昼にしようか」



庵くんの言葉に、時計を見てみると、長い時間話し込んでいたらしいことがわかった。


僕の時間の流れがゆっくりになったわけじゃなくてよかったぁ。

時計を確認して全然進んでいなかったら怖いから、見てなかったんだった。