「お疲れさまでーす。」


移動バスの中。
疲れてうつらうつらしていた俺に話しかけてきたのは、後輩のサクだった。

「…おー」

軽く目をこすって顔を上げる。


「やっぱヒーロー役はタカさんっすね!」


俺の隣の席に腰掛けたサクは、寝起きには眩しすぎる笑顔で言った。


「体のキレが他の人とは全然違いますもん」

「ホントに思ってんのかよ」

「思ってますって!」