「……え?」 俺の足元で突然大きな声がした。 「ボクがやっつけてやるーー!!」 次の瞬間、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにした四、五歳くらいの男の子がデビルに向かって猛突進した。 うわぁぁん、と泣き叫びながらたどたどしくパンチやキックを繰り出す男の子の姿に 今まで呆気にとられていた周囲の観客たちも大声援を送っている。 ……ママ? デビルマンの腕の中に囚われている彼女は ゆっくりと俺に視線をうつして 泣き笑いのような表情を浮かべながら、小さく頷いた。