サクは俺より年下だが、俺より遥かに真っ当に人生を歩んでいると思う。


「タカさんも禁煙した方がいいっすよー。タバコ臭いヒーローなんて幻滅じゃないっすか」

「……うるせ。」


火を付けるタイミングを見失ったタバコを、唇に挟んだまま
窓の外を流れる景色を見やった。



「いいんだよ、俺はこれで。」