《お待たせいたしました。これから、ミスター&ミスコンテストを始めます!》

司会の一言で、会場が一気に盛り上がる。

……ヤバイ。今になって、緊張してきた。

「夷隅さん」

声をかけられて、振り返ると3年生で一番の美人と評判の水無瀬 奈々先輩がいた。

この人も、ミスコン出るんだ。

「何ですか?」

「貴女には負けないわ。神谷様も譲らないわよ!」

……?
会長を譲らない?
元々、私のじゃないですけど。

「はぁ。頑張ってください」

どう反応したらよいか解らなかった私は、ペコリと頭を下げてその場を後にした。