キングとナイト

そんな私を迎えに来てくれたのか、女の子の列に割り込みながら入って来たのは、会長だった。

「会長、助けてください……」

「お前なぁ、自分で受けた事だろうが」

盛大なため息をつく会長に、返す言葉もありません……。

「しゃあねぇ、魅夜」

会長に呼ばれて顔を上げる。

「逃げるぞ!」

次の瞬間、目の前には会長の背中。

「……は?」

私は、会長に担ぎ込まれていた。

キャアアァと女の子たちの盛大な悲鳴も聞こえる。


「落ちんなよ!!」

会長は、その言葉と共に私を担いだまま走り出した。


その間、私が
「降ろしてぇ〜!」
と叫んでいたことは言うまでもない。