「魅夜」

ニッコリと笑いながら私の目の前にいるのは、クリス。

「クリス……。貴方、二年生でしょ?」

毎回と言っていいほど休み時間になるとクリスは私のクラスに来ている。

最近、クリスさんじゃなくて『クリスって呼んでください』って言われたんで、実行中です。

「いいんですよ。僕が魅夜に会いたいんですから」

………ハァ。

どうにかならないですかねぇ、この人。


「クリスゥゥ〜!!!見つけたぞ、馬鹿め」

そう言って、鬼のような形相で近づいて来るのは連夜先輩。

「!!!来ましたね……」

クリスは小さく呟くと、私の手を引っ張った。

“チュッ”