「…クソッ!」

俺は思いきり、塀を叩いた。

今日、夷隅も俺を持て遊んだだけだということを知った。

悔しいかったけど、それ以上に悲しかった。

「…おい、零」

学校を飛び出した俺を、連夜が追いかけて来た。

「なんだよ」

俺は、連夜を睨みつけた。ただの八つ当たりだと分かっていたけど、そうせずには要られなかった。

「お前、本当に魅夜が言った事、真に受けてんのか?」

連夜はそれに怯むことなく、俺を睨み返しながらそう聞いてきた。

「当たり前だろ!!」

「そっか……。見損なったよ、零」

連夜は冷めたような目で俺を見ると、どこかに言ってしまった。