親が死んでしまったのは、あたしが5歳くらいの時。 だからだと思う。 咲空兄も、奈々姉も、とても優しい。 「着替えてきた。」 「あ、梨々華ー。 ねぇねぇ、聞いてよ〜。咲空がね〜。」 「聞くから、先にご飯食べよ。」 「はーい。」 みんなで、おしゃべりしながら夕食をとる。 どんな嫌なことがあっても、なぜかこの時間だけ、忘れることができる。