あたし、ぶりっ子始めます





「なぁに逃げようとしてんの?」


あたしはそいつをキッと睨みつける。


「逃げる?違いますよ。
あなたたちを見逃してあげようと思っただけですけど。」


「そういう口きく子も嫌いじゃないよ。」


「それはどうも。
それより、手を離していただけますか?」


「そんなこと言われて、はいそうですかって言うわけないだろ。」