「お、お前、彼女いないって言ってたじゃねぇか!」
凌我くんと呼ばれた人が、綺羅くんを指差して言う。
「彼女いるって言ったら、お前ら会わせろって言うだろ」
「当たり前だろ!」
あ、そっか。
私は本当の彼女じゃないし、会わせろって言われたら困るもんね。
今日は先輩の命令で断りきれなくて、仕方なく彼女のフリをして来ただけで…。
綺羅くんの背後で、一人で納得していると。
「お前らに見せたくなかったんだよ」
そう言って、綺羅くんは少し眉を寄せたんだ。
見せたくなかった…?
私を…?
言葉の意味が分からないでいると、サッカー部の人達が驚いたように目を見開いた。
「マジかよ…あの綺羅が!?」
「サッカーが恋人みたいな女に興味のなかったあの綺羅が!?」
「ど、独占欲だとぉおお!!?」
ど、独占欲…?
「うるせぇよっ…お前らもう散れ!!」
「もっと話聞かせろよー!」
綺羅くんはグイグイと集まっていた人達を追い返すと、私のところに戻ってきた。



