「そっか。じゃあ、行くか」
「うんっ」
差し出された手に自分の手を重ねる。
綺羅くんの手は冷たくて、ドキドキとなる胸と、太陽の熱で火照った私にはとても心地よかった。
「おっ!!綺羅がやっときたぞー!!」
「おせーよー!!」
綺羅くんに手を引かれて行くと、この間試合で見たことがある人達が声をかけてくる。
わっ…。
本当にたくさん部員がいるんだね。
こんなにたくさんいる中で、一年生の綺羅くんがレギュラーで試合に出てることは本当にすごいことなんだね。
「あれ?あれあれあれ!?」
「おい、綺羅!この子が例の彼女か!!」
「うおーっ!!めちゃくちゃ可愛いんだけどっ!!」
先輩だと思われる方達が、私に近寄ってきて。
うぅっ…。
大きい人たくさんっ…。
威圧感すごいよ…。
だんだん怖くなってきて、思わず逃げるように綺羅くんの後ろに隠れてしまった。
「あ、あの……」
「うわーっ!声もすげぇ可愛い!!」
「なにこの小動物みたいな子!」
「超かわええー!!抱きしめてぇーっ!!」
そ、そんなに近寄らないでくださっ……。
こ、怖いっ…!!



