「で、妃那。ひとつ提案なんだけど」
「はい?」
なんだろう?
「俺と付き合わねぇ?」
………え?
え?
つ、つき……!
「えぇっ!?」
うそ、それって…。
それってっ…!!
「あ、そういうんじゃなくて。その、俺と付き合ってるってことにしといた方が、面倒とかないだろ?だから…」
あ…。
付き合うって、そういう…。
わ、私っ、ひとりで勘違いして恥ずかしいよっ…!!
でも。
「あ、妃那が嫌ならいいんだ。友達ってことで…」
「ううん、嫌じゃない…嫌じゃないよ」
私、恋人のフリでもすごく嬉しいって思ってるの。
フリだけど。
本当の恋人じゃないけど。
ずっと、隣に立ってみたいって思ってたから。
ずっと、夢見てたから。
だから、すごく嬉しいんだよ。



