side 綺羅



「綺羅、最近すげぇ調子いいじゃん」



妃那が試合を見に来る、当日の朝。


朝練を終えて、食堂で朝飯を食っている時、祐武がどうしたんだとばかりに聞いてきた。



「え、マジで?そう見えんの?」



何も知らないような感じで答えたけど、実際は自分が調子いいことを自覚してる。



「お前、ここんとこ気合い入ってるもんな。なんかいいことあった?」


「別に、なんもねぇけど」



嘘つけ。

あったじゃねぇか、なんて自分で自分に対して心の中でツッコむ。



「まさか、女でも出来たか!」


「は!?出来てねぇよっ」


「マジかよ、綺羅!!抜け駆け禁止だぞ!!」


「だから出来てねぇって!」




人の話を聞け!!