嬉しさのあまり、涙が込み上げてきて。



「ずるいなぁ…っ…」



綺羅くんはずるい。

いつも私の心を簡単に動かしてしまうのだから。



好き。



好き。



大好き。




言葉じゃ、もう言い表せないほどに。



試合開始のホイッスルが鳴る。


暑い日差しの下で、綺羅くんは一段と輝いて見えた。


見たことがない真剣な表情。

得点を入れたときの嬉しそうな表情。

仲間と喜び合う無邪気な笑顔。



一瞬一瞬がキラキラと太陽のように輝いて。

瞬きをするのも惜しいほどに、綺羅くんは輝いてたんだ。



私、綺羅くんの特別になれるかな。

いつか隣に立つことができるかな。



…立ちたいな。

隣にいて、ずっと見ていたいな。



太陽のように輝く綺羅くんに、私はどうしようもなく惹かれてしまっているから。



その日、私は綺羅くんの新しい一面を見たんだ。