その試合は俺のゴールを守り切って勝利。


練習試合だったから後半から交代だったけど、結果を残せたことに満足している。



「今日も絶好調だったじゃん、綺羅」


「お前やっぱ上手いわー」



水道で顔を洗っている俺に話しかけてきたのは、同じ1年の祐武(ヒロム)と啓太(ケイタ)。



学校はずっと違かったけど、クラブで一緒にサッカーをやってきた仲間だ。

ちなみに坊主に近いのが祐武な。




「お疲れ、綺羅」


「あ、お疲れ様っす」




続いてやってきたのはキャプテンの修哉先輩。


めちゃくちゃ上手くて、俺の目標にしてる人だ。



後からきた他の先輩が、俺の肩に腕を回した。



「綺羅ちゃん今から飯いかね?」


「先輩、その呼び方やめてくださいって、いつも言ってますよね?」



まったく。


『きら』って名前は別に嫌いじゃないけど、こういう女呼びされるのは嫌いだ。




「ごめんごめん」



ははっと笑ながら謝る先輩。


…悪いと思ってねぇよな、これ。