「妃那ー、今日アイス食べにいかない?」


放課後、ぺったんこな鞄を片手に、奈緒ちゃんが私のところに来た。



アイス!

食べたい!!



でも。



「ごめん奈緒ちゃん。私今日用事があって…」



今日は中学生の弟の部活に行かなきゃいけない。


弟もサッカーをしていて、朝家を出る時にサッカーで使う脛当てを忘れて行ってしまったみたい。


それを届けなきゃいけないんだ。


その後も買い物を頼まれてて忙しい。




「そっかー。美味しい店見つけたのになぁ」


「ごめんね。…あ、奈緒ちゃん明日は?」


「明日?空いてるけど」


「じゃあ明日行こうよ!」



最近食べてなかったから、アイス食べたいし!



「いいね!じゃあ明日ね」


「うん!またね」



奈緒ちゃんは私に手を振って教室を出て行った。


さてと、私も急がないと。