「妃那なら話しかければ簡単にゲットできるって」




ゲットって…。


奈緒ちゃん私のことなんだと思ってるのかな。


私なんてドジだし鈍臭いしいいところなんてひとつもないのに。



「とりあえず話すチャンス見つけないとな。頑張れ!応援してるから」


「ありがとう」


「そんで付き合えたら、あたしにその男の友達紹介して」




…奈緒ちゃんってば、調子いいんだから。


奈緒ちゃんならすぐに彼氏できるのに。




それからクラスの子が登校してきて、気づいたら静かだった教室が騒がしくなった。



ぼーっと空を見て彼のことを考えているうちに授業が始まって、いつの間にか終わってた。



毎日こんな感じ。



彼を考えて一日が終わってしまう。



サッカーしてる姿、絶対カッコイイんだろうな、とか。


今何の授業受けてるのかな、とか。




本当に私は重症だ。