先生はうっ、と声をつまらせたあとカードを俺から受け取った。
「…席に座りなさい」
少しぶっきらぼうに言って先生は俺から視線を外した。
よかった。
手伝いをさせられることはないみたいだ。
「は~い♪」
俺はへらっと笑いながら自分の席に向かう。
ん?なんだ?
自分の席に向かっているだけなのに、なぜだか見られてる気がする。
チラリと目をやると、こちらを見ていた女子と視線が合った。
女子は驚いたように目を見開いたあと、ぱっと俺から顔をそらした。
うん?
ほんのり顔が赤くなってる?
俺を見て顔が赤くなるってことは…
Oh、そうか。
遅刻して目立ったっていうのもあるけど、俺がカッコいいからだよな!!
どうやらイメチェンは成功。
こうして俺の高校生活が始まった。